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医療ITの現状の成果と問題点を認識し、今後の方向性を考えたい。
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2008年03月16日 7時55分
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2008年03月16日 7時55分
以下のシンポジウムに参加しましたので、感想など・・・

 平成19年度 厚生労働科研
 「医療安全と質を保証する患者状態適応型パス(PCAPS-IMT)
                  統合化システム開発研究」
              主任研究者:飯塚悦功(東京大学)
         最終成果報告シンポジウム
  日時:2008年3月8日(土) 10:00〜18:00 会場:東京大学
  http://plaza.umin.ac.jp/~A-epath/

シンポジウムの内容
・プログラムはhttp://plaza.umin.ac.jp/~A-epath/event/2008Pcaps_final.pdf
 にあるとおり。午前は各領域でPCAPSの開発を行ってきた担当者
 (主に医師)による成果報告。午後はPCAPSを実現するための情
 報システムについてのデモを中心にした説明。

参加の目的
・PCAPSの動向を確認し、今後の電子カルテ開発に役立てる。

全体で得られた知識・感想
・工業分野の品質管理を医療に適用するという考えは賛同できる。
 しかし、このアプローチが成功するか確信が持てなかった。また、
 医療の専門家でない工業分野の研究者が具体的なシステムを構築
 するのは無理があると思った。
 医療の専門家が、工業分野の質管理を理解して医療に適用する努
 力を重ねることが必要だろう。
・プロセスで質を作りこむ、標準化により優れた方法に統一する、
 という工業分野における品質管理の基本を医療に適用する、とい
 う方針は良いと思う。
・工業分野の質管理の方法では、医療には不適合な部分がある。そ
 れは患者の状態が常に変化することへの対応。工業のように環境
 の変化を管理・調整することができればよいが、医療で患者の状
 態を調整するのは無理、そのために患者状態対応型パスPCAPSを
 提唱した、ということだった。このアプローチは正しいと思う。
・医療の世界で各学会などで推進している診療ガイドラインとPCAPS
 の整合性が懸念されるところだが、診療ガイドラインは診療が定
 型的に経過することを前提にした一面的なもの、PCAPSは患者状態
 が予測できる範囲内で変化しても対応できる多面的なものである、
 と理解した。
 また、診療ガイドラインは実績データを収集・分析の機能(シス
 テム)がないのでPDCAサイクルを回せないため改善(更新)が困
 難である。このような差異を理解し、お互いが補完しながら発展
 することが望まれる。
・PCAPSは患者状態に対応するために診療プロセスを定義するが、
 診療プロセスを実行するためには、プロセスに合ったリソースが
 必要である。病院ごとにリソースは異なりPCAPSで定義したプロ
 セスを実行できない場合はどのように対応するのか理解できなか
 った。

その他、ためになった言葉・考え方・アイデア
・医師は患者に診療計画を分かりやすく提示せよ
・標準化とはベストプラクティスを共有すること。標準化のために
 先進的過ぎる技術を取り入れた新たな方法を創造することは間違
 いのようだ。
・すべてを記録して分析することで標準化が進む
・めずらしい病気ほどパスを適用するべき。
・PCAPSの開発に関わることで、日常の診療でも患者状態を確認す
 るように診療スタイルが変化した
・パスで診療が定型化され無駄な業務がなくなり、業務が早くなっ
 た。
・パスを進めるのに患者による(治療方法などの)選択は重要な指
 針である。パスの設計として患者の選択を考慮すること。
・医療のような複雑なプロセスを管理(表現)するには、情報シス
 テムとして大画面を基本にした設計が有効である
・職種による業務の個別性に対応した設計が有効である

PCAPSが良いと思った点
・診療の計画(プロセス)に注目し、図で示すこと。あるいは、パ
 スに含まれているプロセスを視覚的に表現すること。
・患者状態の変化を予測し事前に対応方法を提示しておくこと。
・PCAPSビルダー・アドミニストレータ・アナライザーの構成でPDCA
 サイクルを回せること。
・コンセプトが理論的ではっきりしていること

PCAPSで改良が必要だと思った点
・医療の業務を5つに分類していたが、治療が中心になっており、
 診察や検査の業務が少ないと感じた。
・他科で対応する合併症がある場合に、プロセスを並列で進ませる
 必要があるが、並列で進むプロセスの管理に対して明確な対応方
 法が見つけられなかった
・外科系の質を高くする一番の方法は、手術の技を磨くこと、との
 発言があった。これではパスを作る時間で手術の練習をしたほう
 が質が上がることになる。その程度の効果なのか。
・急変などで混乱した場合は人対人のコミュニケーションで解決す
 るしかない、との発言があった。急変の対応もパスに含めて解決
 できるものではないのか。
・PCAPSで臨床プロセスを検討している病院が50近くあるが、診療
 ガイドラインの作成と比べると、1つの疾患に対して検討してい
 る病院が少なく、学会などの参加がなく、エビデンスも示されな
 いことが不安である。
・情報システムのデモが不十分である。電子カルテと一体化した実
 用レベルのデモ(画面例)を提示するべきだろう。
・PCAPSアドミニストレータを電子カルテと分離して運用した場合の
 デモが主体だったが、電子カルテと一体化しないとうまくいかな
 いと思う。PCAPSのためにだけデータを入力する人はいないし、電
 子カルテとPCAPSのUIが分離されていたら不便だろう。
・PCAPSアナライザで想定している分析はDPCのデータ分析でほとん
 ど対応できると思う。PCAPSの優位性は診療プロセスを確認でき
 ることなので、その機能に集中したほうがよい。
・PCAPSとクリニカルパスとの違いを明示するために、PCAPSでしか
 できないことを整理して説明するべき。

シンポジウムで考えたこと
・診療プロセスは患者個別に多様なであり、これまで分析できなか
 ったが、これからはITの力で分析できるだろう。
・これまでのクリニカルパスはコスト・入院期間管理のための手法
 であった。それを発展させて医療のプロセスと質を管理するため
 の手法が必要で、そのアプローチの1つがPCAPSである、整理が分
 かりやすい。
・医療のプロセス(サービス)を標準化することが本当に必要なの
 か。誰が望んでいる、どんな得がある、本当に質が高くなるのか。
・生体肝移植は京大病院での1100例を参考にした。そんなに沢山の
 生体肝移植が行われているとはびっくり。
・電子カルテの画面も大画面・2画面・多画面を基本にした設計にし
 てみたい。
・電子カルテでも職種による業務の個別性に対応したい。
・パスのラベルはマスターから選択することで標準化できる
・担当している患者さん全員のパスを毎日チェックできる機能がほ
 しい
・プロセスの区切りが小さくなりすぎて複雑になると感じた、もっ
 と大きなプロセスを簡単にまとめて効果を上げられないか
・既存のQCの手法は臨床に適用するには無理があり、病院のおいて
 は、事務のみにしたほうがよいか。
・診療の計画をベースにした電子カルテの機能が魅力的。診療計画
 をパパッと画面で書いて、患者さんに説明できること。進捗を説
 明できること
・医療は患者さんごとに診療の方法が異なる、工業でいえば少量多
 品種の業種である。工業分野において少量多品種の品質保証の方
 法はないか。
2008年03月10日 8時53分
約1年ぶりの更新です。小ネタから・・・

ちょっと前ですが、2008年2月2日に以下のフォーラムに参加しまし
たので、その感想など、書いてみます。

第6回 EBM研究フォーラム
『日常診療に役立つ診療ガイドラインを目指して』
主催:財団法人 日本医療機能評価機構

主催者による報告
http://minds.jcqhc.or.jp/ar/Finf000.aspx?TPNUM=T0001898

参加の目的
・EBM・診療ガイドラインとは何なのか、研究者がどのように捉え
 ているのか理解する
・診療ガイドラインの開発がどの程度進んでおり、医療の現場でど
 のように利用されているか確認する。
・今後の電子カルテの開発に活かせるアイデアを収集する。

全体的な印象
・各分野で学会と先端の臨床医により緻密に診療ガイドラインが開
 発されている現状が確認できてよかった。
・診療ガイドラインの意義を患者さんにも理解してもらうことで、
 医療者と患者さんが診療の方針を共有し、お互いにとって納得で
 きる医療を提供することが期待できる。今後も継続して診療ガイ
 ドラインを開発してほしい。
・診療ガイドラインが一般的になれば、電子カルテにもそれに対応
 した機能が要求されると思われるので、この分野の動向に注目し
 たい。

EBM・診療ガイドラインとは、あるいは
診療ガイドラインの作成方針・利用方法
(フォーラムの発言から皆さんの認識は以下のようなものでした)
・診療ガイドラインの作成は、暗黙知・組織知であったものを公知
 に変えていく作業である。
・診療ガイドラインの作成は、文献を読んでまとめて世間に教える
 作業である
・診療ガイドラインはマナー集である。法律ではない、マニュアル
 でもない、絶対的な存在でもない。
 ガイドライン<スタンダード<ダイレクション
・診療ガイドラインは、各疾患の専門家が考えて一般医が利用する
 ものである。
・診療ガイドラインがあっても、使い方を説明する指導医が必要。
 医師会雑誌にガイドラインのガイドを連載する。
・各疾患のスペシャリストはスペシャルな方法で診療する。ジェネ
 ラリストはジェネラルは方法で診療する。ジェネリストがスペシ
 ャルな方法で診療することは難しいので、診療ガイドラインで手
 助けする。
・臨床で使えるEBMとは。具体的・簡単・安全・有効・使いやすい
 ものである。診療ガイドラインは臨床で使えることを目指す。
・診療ガイドラインはいつでも使え・どこ(電子カルテでも)でも
 使え・何に(専門的すぎない)でも使え・誰に(患者さん)でも
 使えるものを目指す。
・診療ガイドラインは、患者さんとのインフォームドコンセントに
 も利用できるものだ。

診療ガイドラインの課題
・診療ガイドラインの開発費用はだれが負担すべきか、国・企業・
 学会などが考えられるが、企業が現実的か。企業が費用負担する
 場合には開発の過程・エビデンス・担当者との関係などを開示す
 ることが必要である。これは治験と同じ問題なので、治験になら
 って解決していく。
・厚生労働省で試行した最初の診療ガイドラインの開発には1つの
 疾患に3000万円かかった。
・膵癌の診療ガイドラインの開発に800万円必要だった、本が1部
 2600円で1万部売れた、印税が260万入ったので役にたったが、診
 療ガイドラインをインターネットで無料公開すると印税がなくな
 り、(財政的に)開発・更新できない。
・大腸癌の診療ガイドラインの本は2800部売れた。
・診療ガイドラインの作成に費用面の考慮は必要だが。今はまだ質
 を向上させ、一般に認識してもらう時期。
・診療ガイドラインのとおりに診療しないことで告訴されないか心
 配。先進的な治療にチャレンジすることを妨げる可能性がある。
・診療ガイドラインを元に、院内マニュアルを作成する、あるいは
 院内のクリニカルパスを作成している。今後は連携パスの作成に
 も使いたいが、連携パスに発展させるには、多くの関係者が納得
 できるエビデンスが詳細に公開されていることが必要。

印象に残った言葉・アイデア
・ツールの活用はユーザの行動様式を変化させる
・HealthLiteracy:患者さんが医療を理解し、医療者が患者さんの
 生活を理解すること。
・高度化する医療を患者さんが理解するために、仲介人・代理人が
 必要、プライマリーケア(医)が担当する。
・EBMフォーラムに患者さんもたくさん参加してほしい、相互理解・
 リテラシーの向上のためである。
・頻度の高い一般的な疾病でも変化しているのでEBMが必要である。
 抗菌剤の使用を適正化するためにも必要。
・3ヶ月入院している(ベッドで寝ている)と70%が褥瘡になる。
 今後は在宅医療が進み、寝ている患者さんの管理を家族が行うよ
 うになるので、家族でもできる褥瘡の予防・管理が大事。

電子カルテの開発に活かせそうなアイデア
・診療ガイドラインをもとにパスを作成することを前提にして、パ
 スの機能を見直す。
・診療ガイドラインの一部として、クリニカルクエスチョンがある。
 これを電子カルテで参照できると便利。

その他
・六義園の隣にある医師会館の大講堂に初めて入りました、立派で
 すね。椅子がすごいです。ここでどんなことを決めているのでし
 ょう。
・日本医師会長の唐澤先生病気のため、飯沼先生が講演していまし
 た。ディスカッションで座長から質問を受けたときに「うーん、
 難しくてわからない!」と言ったのに感動しました。さすが大物
 です。
・河北先生の閉会挨拶がとってもよかったです。
・開催報告によれば、参加者は233名なので、随分少ないです。普通
 にはお目にかかれない大先生ばかりなので、もったいなくも贅沢
 な気分でした。
・参加者の「一般」は36名・23.5%ですので、よい数字だと思います。
・ちなみに開催報告にある最初の写真で、2列目の中央やや右にいる
 白いシャツが私です。目が悪いのでどんな会議でも前方中央にい
 ます。

2007年03月01日 12時29分
以下の内容で意見提出しました。

医療・健康・介護・福祉分野の情報化グランドデザインに
つき、以下のとおり意見を提出いたします。ご検討よろし
くお願いします。
  氏名:塚田 智 (株式会社アピウス 代表取締役)
    (その他の個人情報は略)

意見1:
本文の目次
 5.IT化を進めるに当たっての課題
 6.IT化による将来の姿
 7.アクションプラン
意見
 5は書くべき順番が適切ではないと考えます。ニーズを満たす、および
 将来の姿に至るための課題ですので、7.アクションプランの中に記述
 するのが適当だと考えます。

意見1の補足1:
本文
 5.IT化を進めるに当たっての課題
意見
 課題のみを書くと目的が分からなくなります。解決したい問題またはあ
 るべき姿を示して、それに対応してどのような課題があるのかを整理す
 るのが理解しやすいと考えます。

意見1の補足2:
本文
 5.IT化を進めるに当たっての課題
 ○ 幅広い関係者による情報の共用 ○ 健康情報を管理するデータベー
 スの整備 ○ 国民、医療機関、介護事業者、保険者等の合意形成
意見
 この3点は具体性に欠けており、課題として記述するのは不適当と考え
 ます。

意見1の補足3:
本文
 6.IT化による将来の姿
 (1)医療・健康・介護・福祉分野のIT化については、(中略)上記
 「5 IT化を進めるに当たっての課題」に掲げた事項が達成された将来
 における医療・健康・介護・福祉の姿を提示するものである。
意見
 最初にあるべき姿を捕らえて、そこに至るまでの課題を整理するのが理
 解しやすいと考えます

意見1の補足4:
本文
 7.アクションプラン の 【基本的考え方】 の一部
 また、こうした医療機関等の情報化により、医療機関間や医療機関と介
 護事業者間の情報連携が可能になると期待されるが、そのためには、用
 語・コード、記述形式、授受される書類の要件定義等の標準化、情報シ
 ステム間の相互運用性の確保等に取り組むとともに、事業者間や保健医
 療福祉の各分野間において、標準化を進めることが必要である。
意見
 このように目的と課題を整理すると理解しやすいです。5.IT化を進
 めるに当たっての課題は7.アクションプランに含めるのが理解しやす
 いと考えます。

意見2:
本文
 1.はじめに
 厚生労働省においては、このグランドデザインを踏まえ、電子カルテ・
 レセプト電算処理システムの目標の達成に努めるとともにグランドデザ
 インで描かれた情報技術を活用した今後の望ましい医療の実現に向け、
 各般の施策を講じてきたところである。
意見
 厚生労働省が前回提示したグランドデザインの評価と今回のグランドデ
 ザインとの関連性を記述するべきだと考えます。

意見3:
本文
 3.基本的視点(1)総合的施策の着実な実施
 地域の状況や制度の動向を踏まえ、制度や業務の見直しとの整合性をと
 りつつ、総合的かつ段階的に推進することが重要である。(BPR:
 Business Process Reengineeringの徹底)
意見
 段階的に進めることとBPRの考え方は同一ではないないと考えます。こ
 こでは段階的という言葉は不要と考えます。

意見4:
本文
 3.基本的視点(3)真に必要なIT化の推進
 真に必要なIT化は、利用者の視点に立ったものであることは当然であ
 るが、IT化が医療・健康・介護・福祉の各分野の課題の解決につなが
 り、その結果、持続的な社会保障制度の構築等に資するものでなければ
 ならない
意見
 この記述は、3.基本的視点(1)(2)と同じですので、再度記述す
 る必要はないと考えます。

意見5:
本文
 3.基本的視点(5)官民の役割分担
 IT化の推進に当たっては、官民の役割分担の観点から、行政は、用語
 ・コード等の標準化、セキュリティ基準の明確化等の安全基盤の構築、
 健診項目・電子データ形式の標準化、健康情報を管理するデータベース
 の整備、国民、医療機関、介護事業者、保険者等の合意形成等において
 適切にその役割を果たすべきである。
意見
 合意形成というなかに含まれると思いますが、官はこのグランドデザイ
 ンにおいて、今後の大きな目標または方向性を示すことが必要だと考え
 ます。3.基本的視点において、大きな目標または方向性が示されるこ
 とによって、官民が目指すべきゴールを共有できると考えます。

意見6:
本文
 4.国民、医療機関、介護事業者、保険者等のニーズ
意見
 厚生労働省・審査支払機関のニーズも明確にしていただきたいと考えま
 す。

意見7:
本文
 4.国民、医療機関、介護事業者、保険者等のニーズ【国民】
 ○希望すれば、自身の健診情報・診療情報を電子的に入手・管理するこ
 とができ、生涯を通じた健康管理に役立てたい。○セカンドオピニオン
 や専門医への紹介をスムーズに受けたい。また、希望すれば、診療情報
 等のうち、必要な情報が介護事業者と共用されること等により、安心で
 きる介護サービスを受けたい。○医療機関・介護事業者等に関する正確
 で豊富な情報を入手したい。
意見
 これに加えて、○医療機関・介護事業者等がITを活用し適切に運営され
 、質の高いサービスを効率的に受けたい。○自分の病気・治療方法・薬
 品に対する正確で専門的な知識を得て診療に参加したい。というニーズ
 があると考えます。

意見8:
本文
 4.国民、医療機関、介護事業者、保険者等のニーズ【医療機関・介護
 事業者】
 ○安全で効率的に、質の高い医療・介護を提供したい。○客観的で高精
 度な統計的・疫学的データを医療・研究に活かしたい。○医療保険事務
 及び医療事務にかかるコストを抑えたい。
意見
 これに加えて、○最新の医学情報・薬品情報など診療の質を向上させる
 ための情報を迅速に得て病院情報システムで利用したい。○EBMの実践
 として、統計的・疫学的データを日常の診療に利用したい。○自施設に
 とって最適な情報システムを低コストで導入したい。というニーズがあ
 ると考えます。

意見9:
本文
 4.国民、医療機関、介護事業者、保険者等のニーズ【国民】
 ○レセプト保管経費の軽減、レセプト誤記や資格過誤の解消等により医
 療保険事務にかかるコストを抑えたい。○医療費を適正なものとするた
 めにも、健診情報・レセプトデータを活用して、被保険者に対し効果的
 な保健指導を実施したい。
意見
 これに加えて、○情報システムを活用してレセプト審査を効率的かつ適
 切に行いたい。というニーズがあると考えます。

意見10:
本文
 6.IT化による将来の姿
 ○医療機関内の事務の情報化により、カルテ保存や運搬等の効率化、安
 全で効率的な物流管理、情報伝達の円滑化・迅速化や誤記・誤読防止等
 による医療安全の推進、情報の統計的・疫学的活用等が図られる。
意見
 医療機関内の事務に限定せず診療業務の情報化を含めることにで、より
 効率化が図られ、医療の質の向上にも寄与するシステムを構築できるも
 のと考えます。

意見11:
本文
 6.IT化による将来の姿
 ○医療機関が安全にネットワーク化され、診療画像や検査情報等を安全
 ・円滑に情報交換することが可能となり、専門医への紹介やセカンドオ
 ピニオンをスムーズに受けることができる。
 ○医療機関と介護事業者等が電子的に情報連携されることにより、相互
 に利用者の持病・アレルギー・服薬状況・急変時の対応等の必要な情報
 が必要に応じて円滑・安全に伝達され、利用者の安全確保に役立てるこ
 とができる。
意見
 連携する情報としては、アレルギー・既往を含む患者属性と診療記録・
 サマリー等が必要だと考えます。また、医療機関−医療機関と医療機関
 −介護事業者を分けることなく、より多くの機関で共通の方法で情報連
 携ができるようにすることが効率的であると考えます。

意見12:
本文
 6.IT化による将来の姿
 ○レセプト請求事務が完全オンライン化され、医療機関・審査支払機関
 ・保険者におけるレセプト請求事務・審査支払事務・レセプト管理事務
 等が効率化され、医療保険事務にかかるコストが抑えられる。
意見
 審査業務の効率化についてはオンライン化のみでは達成されるものでは
 なく、審査ルールをマスター化し通常のレセプトは情報システムでチェ
 ックする仕組みにすることが必要であると考えます。

意見13:
本文
 6.IT化による将来の姿
 (2)上述のように医療・健康・介護・福祉分野におけるIT化が進ん
 だ社会においては、個人が希望すれば自分自身の健診情報・診療情報等
 を電子的に収集・管理し、日常の健康管理や診療の場において活用する
 こととなるが、これらの情報は極めて高度な個人情報であることから、
 例えば、当該情報にアクセスできる関係者を確認できるアクセスキーの
 ような機能が必要となると想定される。こうした機能を担うデバイスの
 選択肢の一つとしてICカードが考えられる。
意見
 この後に続く文章は、ICカードの現状について詳しく説明したもので
 す。6.IT化による将来の姿 以外の項目に記述するべきものと考え
 ます。

意見14:
本文
 7.アクションプラン
 (別紙「医療・健康・介護・福祉分野の情報化の進め方」)
意見
 それぞれの計画が単独に存在しています。大きな目標をいくつか設定し
 個々の作業がどのように関連して進んでいくのか理解できる図を作成す
 ることが必要だと考えます。

意見15:
本文
 7.アクションプラン(1)医療機関の情報化のための取組
 【基本的考え方】大規模な医療機関においてはオーダーエントリーシス
 テムの普及が進んでいるが、今後は、オーダーエントリーシステムも含
 めた統合系医療情報システムの普及が見込まれる。こうした医療機関の
 情報化が進むことにより、カルテ保存や運搬の効率化、情報伝達の円滑
 化・迅速化、医療事務の効率化等が期待できる。
意見
 事務の効率化が記述されていますが、診療業務を含めた情報システムに
 より、医療の質の向上も期待できるものと考えます。
 また、統合系医療情報システムという言葉は馴染み難い言葉だと考えま
 す。システムの名称としては統合医療情報システム、病院については統
 合病院情報システムまたは電子カルテシステムが適切だと考えます。

意見16:
本文
 7.アクションプラン(1)医療機関の情報化のための取組
 なお、これらの前提となる医療機関の情報化については、診療業務の負
 担にならないよう十分な配慮がされるべきであり、個々の医療機関等の
 規模や機能に応じた必要な情報化を推進しなければならない。
意見
 医療機関の情報化を考えた場合、直接サービスを受ける患者さんにとっ
 ても効果的であることが必要と考えます。

意見17:
本文
 7.アクションプラン(1)医療機関の情報化のための取組
意見
 (1)医療機関の情報化のための取組につき、重点計画2006に記載
 されている以下2点が、このグランドデザインに記載されていません。
 ・2.2.イ 大規模医療機関内の情報化支援(厚生労働省、経済産業
  省)大規模医療機関内における情報化を促進し、統合系医療情報シス
  テムを200床以上のほとんどに導入する(400床以上は2008年度まで、
  400床未満は2010年度まで)。
 ・2.2.オ 医療情報化のための人材育成(厚生労働省)医療機関に
  対して情報化に関する助言・指導等を行い、医療情報化インフラの利
  用価値を高めるため、地方自治体の医療担当部局にCIOを育成するた
  めの体制を2007年度までに整備する。
 どちらも重要な項目ですので、これに対応するアクションプランを記述
 するべきと考えます。

意見18:
本文
 7.アクションプラン (2)レセプトオンライン化のための取組
 1.平成23年4月から、医療機関(薬局を含む)と審査支払機関間に
 おけるレセプト請求事務を原則として、完全オンライン化する。なお、
 レセプトオンライン化を前倒しして実施するため、平成18年4月から
 の診療報酬改定において、電子化加算を新設したところであり、今後と
 も、適切な施策を講ずる。
意見
 平成23年4月の完全オンライン化に向けて年次の達成(数値)目標を
 示すことが必要であると考えます。

意見19:
本文
 7.アクションプラン (2)レセプトオンライン化のための取組
 5.平成20年度に、二次元コード(QRコード)を被保険者証の券面
 に装着させることを一部保険者に義務化。(社会保障分野におけるIC
 カードの導入の在り方についての検討結果を踏まえ、将来的には被保険
 者証のICカード化を検討。)
意見
 QRコードはICカードが普及するまでの一時的対応であると考えます。
 QRコードを義務化するよりICカードの普及を進めるべきと考えます。

意見20:
本文
 7.アクションプラン (2)レセプトオンライン化のための取組
意見
 (2)レセプトオンライン化のための取組につきですが、重点計画20
 06に記載されている以下2点が、このグランドデザインに記載されて
 いません。
 ・3.4 診療報酬体系の簡素化・電子化(厚生労働省)2008年度当初
  までに、コンピュータ処理及びレセプトデータの有効活用に適した電
  子的な診療報酬点数表を整備するため、2006年度中に暫定版を作成し、
  2007年度から暫定版の見直しのための議論を開始する。
 ・3.6 オンラインネットワークを活用した診療窓口での被保険者名
  簿への即時照会システムの構築(厚生労働省)2011年度当初からのレ
  セプトの原則オンライン化の時期とあわせ、被保険者が医療機関で受
  診した際に、医療機関が被保険者資格を即座に確認するために、オン
  ラインで保険者によって管理される被保険者名簿への照会が出来るよ
  う、必要な取組を推進する。
 どちらも重要な項目ですので、これに対応するアクションプランを記述
 するべきと考えます。

意見21:
本文
 7.アクションプラン(3)生涯を通じた健康情報の電子的収集と活用
 2.平成19年度から、全国的規模で収集・分析すべき健康情報及び収
 集の仕組みについて検討を開始。さらに、健診情報等とレセプトデータ
 及び診療情報等との連携の進め方について、結論を得る。
意見
 健康情報と健診情報という言葉が使われていますが、その定義・違いが
 説明されていません。この章を理解するために言葉の定義を記述する必
 要があると考えます。

意見22:
本文
 7.アクションプラン(3)生涯を通じた健康情報の電子的収集と活用
 4.平成20年度末までに、個人が自分自身の健康情報を電子的に入手
 し、健康管理に活用できるよう、健康情報入手に関するルール等の仕組
 みについて方針を示す。併せて、健康情報を管理するデータベースの整
 備について検討を進める。
意見
 健康情報を管理するデータベース、についての説明がありません。この
 章を理解するために言葉の定義を記述する必要があると考えます。

意見23:
本文
 8.今後のフォローアップ体制について
 ○上記「7.アクションプラン」に掲げた施策については、その着実な
 実施を図る観点から、毎年度、施策の進捗状況を把握し、進行管理を行
 う。
意見
 グランドデザインの進捗管理を簡単にするために、年次ごとの具体的達
 成基準あるいは数値目標を記述するべきと考えます。
2007年02月26日 9時01分
ぼやき その4(最終) です。

7.アクションプラン
(2) レセプトオンライン化のための取組
【基本的考え方】
現在、レセプトの多くは紙で処理されているため、医療保険事務の高コスト化を招くとともに、予防医療等へのレセプトデータの活用が十分になされていない。今後、さらに急速な国民医療費の伸びが予測される中、医療費の適正化を図ることが喫緊の課題であり、医療制度改革大綱(平成17年12月1日 政府・与党医療改革協議会)に基づき、以下の施策を実施する。
●書いてあることはよいですが、また重点計画2006を無視するような記述です。どのような意図があるのでしょうか。

【具体的施策】
1.平成23年4月から、医療機関(薬局を含む)と審査支払機関間におけるレセプト請求事務を原則として、完全オンライン化する。なお、レセプトオンライン化を前倒しして実施するため、平成18年4月からの診療報酬改定において、電子化加算を新設したところであり、今後とも、適切な施策を講ずる。
●平成23年4月の完全オンライン化に向けて年次の達成目標を示すことはできないでしょうか。また、今後とも適切な施策を講ずる、とは加算点数が増えるとか、別の加算をつけるという意味と理解しました。期待します。

2.平成23年4月から、審査支払機関と保険者間におけるレセプト請求事務を原則として、完全オンライン化する。
●はい。結構です。疑義照会・返戻なども含めた電子化をお願いします。

3.平成20年度末までに、全国規模でのレセプトデータの収集、分析のための体制を構築し、平成21年度からレセプトデータの収集・分析を段階的に実施し、平成23年度から厚生労働省において全国規模でのレセプトデータを収集し、分析・公表を実施。
●データ分析はまず厚生労働省でやってみる、ということですね結構です。できるだけ早い時期に民間にも開放してください。

4.被保険者証の券面表記事項をレセプトに転記する際の記載誤りを防止するため、平成18年度中に被保険者証の券面に装着させる二次元コード(QRコード)の標準を示す。
●当面の対応として効果的だと考えます。

5.平成20年度に、二次元コード(QRコード)を被保険者証の券面に装着させることを一部保険者に義務化。(社会保障分野におけるICカードの導入の在り方についての検討結果を踏まえ、将来的には被保険者証のICカード化を検討。)
●QRコードは一時凌ぎですので、義務化の必要はないです。それよりもICカード化を進めてください。

●ここまでが(2)レセプトオンライン化のための取組ですが、重点計画2006と比べると以下の2点がグランドデザインに含まれていません。
・3.4 診療報酬体系の簡素化・電子化(厚生労働省)2008 年度当初までに、コンピュータ処理及びレセプトデータの有効活用に適した電子的な診療報酬点数表を整備するため、2006 年度中に暫定版を作成し、2007 年度から暫定版の見直しのための議論を開始する。
・3.6 オンラインネットワークを活用した診療窓口での被保険者名簿への即時照会システムの構築(厚生労働省)2011 年度当初からのレセプトの原則オンライン化の時期とあわせ、被保険者が医療機関で受診した際に、医療機関が被保険者資格を即座に確認するために、オンラインで保険者によって管理される被保険者名簿への照会が出来るよう、必要な取組を推進する。
どちらも重要な項目ですので、これに対応するアクションプランを示してください。

(3) 生涯を通じた健康情報の電子的収集と活用
【基本的考え方】
(前略)健診情報が電子化されることによる利点を最大限に活用し、健診情報を自分自身の健康管理に利用できるようにするための方策、健診情報を全国的規模で収集し、学術的・疫学的に活用するための方策、レセプトデータとの連携の在り方等について検討する。
●3つめの方策について、レセプトデータとの連携のみではなく、診療情報との連携も必要です。このあたりに大きな方針がほしいです。健診情報はそれのみで扱うのか、レセプト・診療情報等のすべてのデータと連携するのか、そのうち利用者個人が利用できるのはどの範囲か、といったことです。

【具体的施策】
1.平成18年度末までに、標準的な健診項目、標準的なデータ形式を定めるとともに、レセプトデータ及び診療情報との連携の進め方について、平成18年度中に検討を開始。
●ここで方針が出るから待っていればよい、ということでしょうか。

2.平成19年度から、全国的規模で収集・分析すべき健康情報及び収集の仕組みについて検討を開始。さらに、健診情報等とレセプトデータ及び診療情報等との連携の進め方について、結論を得る。
●健康情報と健診情報という言葉を微妙に使い分けますね。理解が難しいです。また、診療情報等の収集の仕組みはいつ誰が検討するのでしょうか。

3.平成20年度から開始される保険者実施の健診・保健指導において、健診情報の電子的収集を開始する。
●はい。計画のとおりにお願いします。

4.平成20年度末までに、個人が自分自身の健康情報を電子的に入手し、健康管理に活用できるよう、健康情報入手に関するルール等の仕組みについて方針を示す。併せて、健康情報を管理するデータベースの整備について検討を進める。
●ここでは健康情報となっています。健診情報よりも広い範囲のデータが利用者に開示されることと理解しました、期待します。また、健康情報を管理するデータベース、というものの意味・目的が理解できません。

5.平成21年度には、引き続き、健康情報を電子的に収集するとともに、全国的にデータを収集して、疫学的に利活用できるような方策について検討を進める。
●この結論を得る時期を明示してください。

(4) 介護・福祉分野における情報化の取組み
●私の理解範囲を超えていますのでぼやきなしです。

8.今後のフォローアップ体制について
○ 上記「7 アクションプラン」に掲げた施策については、その着実な実施を図る観点から、毎年度、施策の進捗状況を把握し、進行管理を行う。
●進捗管理には年次の具体的達成目標が必要です。できるだけ数値目標で示してください。

●これでぼやきはお仕舞いです。ぼやいてばかりでは進歩しないので、意見をまとめて提出したいと思います。締め切りは3月2日17時、果たして間に合うか。
2007年02月26日 8時20分
ぼやき その3 です。

7.アクションプラン
上記のIT化による将来の姿を踏まえ、概ね今後5年間における厚生労働省の施策及び事業の計画について示すものである。
●はい、期待します。前回のグランドデザインのようにインパクトのあるプランをお願いします。

今後、このアクションプランに基づき、着実に施策を推進していくものであるが、できる限り早期に実行すべく努めることとする。
●計画はそれに沿って粛々と行うものです。一部が早く進んでも他の計画と同期できなければ無駄になります。着実に進めてください。

(別紙「医療・健康・介護・福祉分野の情報化の進め方」)
●別紙を見るとわかりますが、それぞれの計画がばらばらです。何を目標にしてどんな手順で進んでいくの分かりやすい図にしてください。

(1)医療機関の情報化のための取組
【基本的考え方】
大規模な医療機関においてはオーダーエントリーシステムの普及が進んでいるが、今後は、オーダーエントリーシステムも含めた統合系医療情報システムの普及が見込まれる。こうした医療機関の情報化が進むことにより、カルテ保存や運搬の効率化、情報伝達の円滑化・迅速化、医療事務の効率化等が期待できる。
●このグランドデザイン全体をとおして電子カルテという言葉が使われていません。これは意図的でしょうか。統合系医療情報システムというのは馴染み難い言葉です。せめて統合医療情報システム、病院についていえば統合病院情報システムが適切です。また、ここでも質の向上が記述されていません。厚生労働省は電子カルテ(統合病院情報システム)による医療の質の向上を求めない(認めない)のでしょうか。

また、こうした医療機関等の情報化により、医療機関間や医療機関と介護事業者間の情報連携が可能になると期待されるが、そのためには、用語・コード、記述形式、授受される書類の要件定義等の標準化、情報システム間の相互運用性の確保等に取り組むとともに、事業者間や保健医療福祉の各分野間において、標準化を進めることが必要である。
●はい。このように目的と課題を整理してくれると分かりやすいです。こうすることで5IT化を進めるに当たっての課題はいらなくなります。

なお、こうした情報連携を進めるためには、送信者、受信者等介在する者がそれぞれの責任を明確にしつつ、事故のリスクを最大限低めるため、保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI)の構築と運用を早急に進めるとともに、事業者間のネットワークが具備すべきセキュリティ要件の明確化を含めた情報の取扱いについての指針作りに取組む。
●はい。ここも分かりやすいです。しかし「最大限低める」というのは日本語として正しいでしょうか。

また、EBMの推進の観点から、蓄積された診療情報をITを活用して、より高次に疫学的に分析・活用することが重要であるが、そのためには、病名(診断名)、症状所見名、手術処置名などの患者の身体的状態と医療行為等を表す標準用語を相互に意味的に関係づけた医療知識基盤(オントロジデータベース)を構築する必要がある。
●はい。これも結構です。無理にコード化するよりもテキストデータを分析するほうが効果的だと考えます。

なお、これらの前提となる医療機関の情報化については、診療業務の負担にならないよう十分な配慮がされるべきであり、個々の医療機関等の規模や機能に応じた必要な情報化を推進しなければならない。
●医療機関の情報化は、サービスを受ける患者さんにとっても効果的である必要があります。

【具体的施策】
1.医療用語及び用語間の関連性コードの標準化に関する取組みを継続的に実施していく。また、医療分野で用いられる各種書類の記述要件や書類の定義等について、平成18年度から検討に着手し、産学官の連携の下、継続して議論を行った上で、これらの書類の電子化・標準化等の在り方について平成20年度末までに一定の見解を示す。
●結構なことですが、誰が標準化を行うのでしょう。これまでにも医療IT分野では、いろいろな標準化がありましたが、成功したものはそれほど多くありません。標準化を策定し継続して更新するにはコストがかかります。標準化を推進する団体を産学官が積極的に支援することが必要です。

2.平成19年度末までに、各ベンダーの医療情報システムの相互運用性を検証する取組を支援し、その検証結果をユーザーとなる医療機関等に公表する。その後も継続的に検証を行い、検証結果を公表することにより、医療機関が導入しうる情報システムの選択肢を明確に提示するとともに、標準規格を採用した情報システムの普及を促進する。
●相互運用性の検証となると具体的にはIHE-Jになります。これで結構ですが、IHE-Jを組織的・経済的に強固な組織にしないと今後の拡大が望めません。また、システムの普及を推進する具体的な方法を記述してください。

3.平成18年度末までに、標準的な診療情報提供書を作成するシステムを開発し、平成19年度から全国の医療機関等に同システムを無償配布する。
●静岡県版電子カルテにある紹介状機能のようなイメージでしょうか。この機能を無償で配布しても、院内の情報システムが対応できなければ普及しないと思います。具体的なソフトウェアを開発する以前に相互運用性を確保することが必要です。

4.平成18年度末までに、保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI)を構築し、平成19年度からその運用を開始する。
●はい。結構です。運用コストの財源を継続的に確保できるようにしてください。

5.総務省、経済産業省でこれまで培われたネットワーク、認証等に関する技術の医療分野への活用を検討し、平成18年度末までに、医療機関として選択すべき安全かつ安価なネットワークのセキュリティ要件を含めた、安全な診療情報等の取扱に関する指針を明確化する。
●はい。結構です。

6.平成18年度中に医療情報を高次に分析・活用するための、病名(診断名)、症状所見名、手術処置名などの患者の身体的状態と医療行為等を表す標準用語を相互に意味的に関係づけた医療知識基盤(オントロジデータベース)の研究開発に着手し、平成21年度末までに完成させる。
●はい。結構です。利用目的を明確にして実用的なデータベースを作って、できれば無償でで公開してください。

●ここまでが(1)医療機関の情報化のための取組ですが、重点計画2006と比べると以下の2点がグランドデザインに含まれていません。
・2.2.イ 大規模医療機関内の情報化支援(厚生労働省、経済産業省)大規模医療機関内における情報化を促進し、統合系医療情報システムを200 床以上のほとんどに導入する(400 床以上は2008 年度まで、400 床未満は2010 年度まで)。
・2.2.オ 医療情報化のための人材育成(厚生労働省)医療機関に対して情報化に関する助言・指導等を行い、医療情報化インフラの利用価値を高めるため、地方自治体の医療担当部局にCIO を育成するための体制を2007 年度までに整備する。
どちらも重要な項目ですので、これに対応するアクションプランを示してください。


2007年02月26日 7時46分
ぼやき その2 です。

5.IT化を進めるに当たっての課題
●課題のみを書くと目的が分からなくなります。解決したい問題またはあるべき姿を示してそれに対応してどのような課題があるのかを示すべきです。

○ 医療機関、介護事業者、健診事業者等事業者間の情報連携のための用語・コード、項目、記述形式等の標準化、事業者間で授受されるべき項目の定義
●賛成です。

○ 機器間、事業者間および分野間における情報の相互運用性の確保および医療知識基盤データベースの整備
●賛成しますが、相互運用性と知識データベースは別のものと考えます。知識データベースがどのようなものか説明を加えてください。

○ 事業者間の情報連携に必要なセキュリティ基準の明確化等の安全基盤の構築
●賛成です。

○ 幅広い関係者による情報の共用 ○ 健康情報を管理するデータベースの整備 ○ 国民、医療機関、介護事業者、保険者等の合意形成
●この3点は具体性に欠けており、課題として与えられても解決できないです。

6.IT化による将来の姿
(1)医療・健康・介護・福祉分野のIT化については、(中略)上記「5 IT化を進めるに当たっての課題」に掲げた事項が達成された将来における医療・健康・介護・福祉の姿を提示するものである。
●まずあるべき姿を書いて、そこに至るまでの課題を整理するのが普通です。

なお、平成17年12月1日に政府・与党医療改革協議会において、「医療制度改革大綱」が取りまとめられたが(中略)IT化を進めるに当たっては、こうした政策目標との整合性をとり、持続可能で国民の安心と信頼を得る社会保障制度の構築に貢献するものとすることが重要である。
●今回、重要視するべきは重点計画2006ではないでしょうか。

○ 個人が希望すれば、生涯にわたる健診情報・診療情報等を電子的に入手・管理できる仕組みが構築され、個人がこれらの情報を日常の健康管理に役立てるとともに、必要に応じて医療機関に提供して適切な医療を受けることができる。また、保険者においては、健診情報やレセプトデータを活用して効果的な保健指導を行うことができる。
●効果的な保健指導というときに、被保険者にとっても効果的であることを明示してください。

○ 医療機関内の事務の情報化により、カルテ保存や運搬等の効率化、安全で効率的な物流管理、情報伝達の円滑化・迅速化や誤記・誤読防止等による医療安全の推進、情報の統計的・疫学的活用等が図られる。
●医療機関内の「事務」の情報化、というように事務に限定し診療業務を除外しているのは意図的でしょうか。事務を情報化するだけでは医療安全の推進はできません。診療業務の情報化を含め、質の向上も考えるべきです。

○ 医療機関が安全にネットワーク化され、診療画像や検査情報等を安全・円滑に情報交換することが可能となり、専門医への紹介やセカンドオピニオンをスムーズに受けることができる。
●診療画像や検査情報のみではなく、アレルギー・既往などの情報を含む患者属性と診療記録・サマリー等が必要です。

○ 医療機関と介護事業者等が電子的に情報連携されることにより、相互に利用者の持病・アレルギー・服薬状況・急変時の対応等の必要な情報が必要に応じて円滑・安全に伝達され、利用者の安全確保に役立てることができる。
●医療機関−医療機関と医療機関−介護事業者を分けて記載する意味が理解できません。また、持病というのは厚生労働省が使うにふさわしい言葉とは思いません。さらに、ここでも連携される情報として診療記録・サマリーが記述されていません。これも意図的でしょうか。

○ 医学の進歩、医療サービスの質の向上を目指して、健診情報・診療情報・レセプトデータから、個人情報の保護に配慮しつつ、医学研究者、医療従事者、国、地方公共団体、保険者が統計的・疫学的分析を行うことができる体制が確立されることにより、EBMが推進される。
●分析を行ったあと、その成果を日常の診療に役立てるための具体的方法を示すべきです。

○ レセプト請求事務が完全オンライン化され、医療機関・審査支払機関・保険者におけるレセプト請求事務・審査支払事務・レセプト管理事務等が効率化され、医療保険事務にかかるコストが抑えられる。
●審査業務の効率化については、オンライン化のみでは達成でません。審査ルールを統一・公開・マスター化して通常のレセプトは情報システムでチェックする仕組みにすることが必要です。

(2)上述のように医療・健康・介護・福祉分野におけるIT化が進んだ社会においては、個人が希望すれば自分自身の健診情報・診療情報等を電子的に収集・管理し、日常の健康管理や診療の場において活用することとなるが、これらの情報は極めて高度な個人情報であることから、例えば、当該情報にアクセスできる関係者を確認できるアクセスキーのような機能が必要となると想定される。こうした機能を担うデバイスの選択肢の一つとしてICカードが考えられる。
●ICカードで結構ですので進めてください。4は将来の姿を書く章ですので、ICカードの現状について詳しく説明する必要はありません。
2007年02月25日 10時19分
厚生労働省の「医療・健康・介護・福祉分野の情報化グランドデザインについて(意見募集)」というのがあります。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495060194&OBJCD=&GROUP=
昨年の重点計画2006に続いてぼやいてみます。

最初に断っておきますが、重点計画2006は全体として、とても積極的で読んでいても感心することが多かったですが、今回の厚生労働省のグランドデザインは違います。これでは困るぞ、というのが率直な感想です。

本文はグランドデザイン案 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000019436 からの引用です。●が私のぼやきです。

目次
 1.はじめに
 2.背景
 3.基本的視点
 4.国民、医療機関、介護事業者、保険者等のニーズ
 5.IT化を進めるに当たっての課題
 6.IT化による将来の姿
 7.アクションプラン
 8.今後のフォローアップ体制について
●5は書くべき順番が良くありません。ニーズを満たす、将来の姿に至るための課題なので、7.アクションプランの中または前が適当です。

1.はじめに
(前略)厚生労働省においては、このグランドデザインを踏まえ、電子カルテ・レセプト電算処理システムの目標の達成に努めるとともにグランドデザインで描かれた情報技術を活用した今後の望ましい医療の実現に向け、各般の施策を講じてきたところである。
●厚生労働省がグランドデザインを書いて施策を講じたことは知ってます。画期的なことだったと評価します。それで、結果はどうだったのでしょう。これまでの経験の積み重ねと反省なしには成長を期待できません。

(中略)その中で、医療・健康・介護・福祉分野横断的な情報化方針、具体的なアクションプラン等を示す情報化のグランドデザインを2006年度末までに策定することとされている
●重点計画2006で指摘されたことに従ってグランドデザインを策定している、ということですね。了解しました。重点計画2006を尊重して進めてもらいたいです。

2.背景
(前略)このような人口減少と急速な少子高齢化により、我が国における生産年齢人口の減少や、医療・健康・介護・福祉分野のサービスの利用者の増加が見込まれる。
●医療技術の進歩に対応する記述がありません。少子化に伴う人口減少と高齢化は重大な問題ですが、それ以外の要因も勘案する必要があります。

(中略)我が国の厳しい財政状況を踏まえ、今後とも我が国経済社会の活力を維持・増進していく観点からは、限られた資源を有効に活用し、質の高いサービスを効率的・効果的に提供していくことが課題となっている。
●これは税金で何をするかという発想からの課題です。サービス産業としての医療・介護をどのように発展させるか、という視点が必要です。

(中略)こうした情報技術を利用し、国民が医療・健康・介護・福祉分野のより良いサービスを効率的に利用できる社会を実現し、ひいては持続的で国民に信頼される社会保障制度を構築することが必要である。
●なかなか良い文章です。

3.基本的視点
(1)総合的施策の着実な実施
(前略)地域の状況や制度の動向を踏まえ、制度や業務の見直しとの整合性をとりつつ、総合的かつ段階的に推進することが重要である。(BPR:Business Process Reengineeringの徹底)
●段階的に進めることをBPRとは言いません。段階的という言葉は不要です。

(2)利用者の視点の重視
(前略)今後のIT化に関する施策は、国民がIT化の恩恵を享受できる社会の構築に貢献するものであること、すなわち、国民が生涯を通じて医療・健康・介護・福祉分野の質の高いサービスを効率的かつ安心して受けられることに資するものでなければならない。
●病院でいえば患者様中心、介護でいえば利用者中心、という考え方ですね、よいことです。

(3)真に必要なIT化の推進
(前略)真に必要なIT化は、利用者の視点に立ったものであることは当然であるが、IT化が医療・健康・介護・福祉の各分野の課題の解決につながり、その結果、持続的な社会保障制度の構築等に資するものでなければならない
●(1)(2)と同じことの繰り返し。何度も書く必要はありません。

(4)個人情報の保護と国民の選択の尊重
医療・健康・介護・福祉分野において情報化が進んだ将来においては、健康情報等の個人情報の利活用が見込まれるが、これらの情報は非常に高度な個人情報であることから、その保護に万全を期さなければならない。また、個人情報を活用したサービスの利用については、この点も踏まえた上で、個人の選択を尊重することが重要である。
●賛成です。

(5)官民の役割分担
IT化の推進に当たっては、官民の役割分担の観点から、行政は、用語・コード等の標準化、セキュリティ基準の明確化等の安全基盤の構築、健診項目・電子データ形式の標準化、健康情報を管理するデータベースの整備、国民、医療機関、介護事業者、保険者等の合意形成等において適切にその役割を果たすべきである。
●合意形成というなかに含まれるのかも知れませんが、官はグランドデザインにおいて、今後の大きな目標または方向性を示すことが必要です。この3.基本的視点において、大きな方向性が示されていないので、目指すべきゴールを共有できず合意形成できないです。


4.国民、医療機関、介護事業者、保険者等のニーズ
●政府・厚生労働省・審査支払機関のニーズも明確にしてほしいです。

国民:ITを活用して、自身の健診情報・診療情報を日常の健康管理に活かしたり、医療機関・介護事業者等に提供して質の高いサービスを効率的に受けるというニーズ
○希望すれば、自身の健診情報・診療情報を電子的に入手・管理することができ、生涯を通じた健康管理に役立てたい。○セカンドオピニオンや専門医への紹介をスムーズに受けたい。また、希望すれば、診療情報等のうち、必要な情報が介護事業者と共用されること等により、安心できる介護サービスを受けたい。○医療機関・介護事業者等に関する正確で豊富な情報を入手したい。
●これに加えて、○医療機関・介護事業者等がITを活用し適切に運営され、質の高いサービスを効率的に受けたい。○自分の病気・治療方法・薬品に対する正確で専門的な知識を得て診療に参加したい。というニーズがあります。

医療機関・介護事業者:費用対効果の高いITの導入により、質の高いサービスを効率的に提供するというニーズ。
○ 安全で効率的に、質の高い医療・介護を提供したい。○ 客観的で高精度な統計的・疫学的データを医療・研究に活かしたい。○ 医療保険事務及び医療事務にかかるコストを抑えたい。
●これに加えて、○最新の医学情報・薬品情報など診療の質を向上させるための情報を迅速に得たい。○EBMの実践として、統計的・疫学的データを日常の診療に利用したい。○自施設にとって最適な情報システムを低コストで導入したい。というニーズがあります。

保険者等:レセプトオンライン化等により、医療保険事務を効率化するとともに、保険者機能を効果的に発揮するというニーズ。
○ レセプト保管経費の軽減、レセプト誤記や資格過誤の解消等により医療保険事務にかかるコストを抑えたい。
○ 医療費を適正なものとするためにも、健診情報・レセプトデータを活用して、被保険者に対し効果的な保健指導を実施したい。
●これに加えて、○レセプト審査を効率的かつ適切に行いたい。というニーズがあります。

つづく・・・

2007年01月07日 10時45分
1月6日22時からNHK教育テレビで放送された
ETV特集「病院を“診断”します〜“医療機能評価”の成果と課題〜」を見ました。以下 感想など。

内容:
医療機能評価機構による病院機能評価の審査の現場を紹介し、審査の必要性を説明し、審査までに病院がどのような取り組みをしているかをまとめていました。
例示された病院は、
熊谷外科病院:13科154床 http://www.kumagayageka.or.jp/
東京北社会保険病院:18科280床 http://www.tokyokita-jadecom.jp/
聖マリアンナ医科大学病院:27科1208床 http://www.marianna-u.ac.jp/hospital/
ゲストコメンテータは鎌田實さん(医師)と伊藤隼也さん(医療ジャーナリスト)。

トピック:
・医療の安全性を求める声が大きくなり、評価機構が設立され10年ほど前から審査が開始され、現在は2500ほどの病院が審査を受けている
・審査を受ける病院では診療の手順を文書化したり、各科でばらばらになっている基準を統一したり、必要なハードウェアを準備したり、という作業を通じて院内のコミュニケーションを活性化する、医療の安全性を高めるなどの効果があった。
・最初は100項目程度の審査項目が、どんどん追加されて現在では800項目以上になった。
・いままでは比較的大きな病院が審査を受けていたが、今後は中小病院も含めて審査を受ける傾向にあり、これに対応して審査項目を変更していく必要がある。
・審査は性善説にしたがって、その病院に必要な機能があるかを見るもので、その病院の特徴や強みを捉えるものではない。また医療技術の質を評価するものでもない。
・サーベイに時間的制約があり、サーベイヤの得意分野に偏ってサーベイされることがある。
・審査項目に患者の視点が欠けている。審査項目として患者さんからの意見を聞くようになったり、サーベイヤとして患者さんが参加するようになると良い。

感想:
・9000ある病院のうち2500が審査を受けているというのだからよい仕組みだろうと思う。残りの6500が審査を受けるようになるには、審査項目を病院の種類に合うようにもっと細分化するべきだと思う。
・サーベイの時間的制約があるからといって、サーベイヤ自身が「サーベイヤの感性でサーベイ範囲が決まることがある」というような発言をするようでは審査の質に問題があるだろう。病院機能評価の基準を統一することはよいが、審査機関は複数あるべきだと思う。
・最初100だった審査項目がどのように800にも増えたのだろうか、本当にそんなに必要なのだろうか。その審査基準は正しく、消費者である患者さんの利益につながるものだろうか。審査項目が適切であることを確認する仕組みが必要だと思う。
・私が心配するのは医療機能評価機構が偏った審査をしたり、権力を持つようになることです。
・病院機能評価というのはあるべき機能があればOK、なければNGという結果で、いわるゆネガティブリストになりつつある。今後は、医療技術の質を評価し、病院の特徴や強みを患者さんに伝えるためにポジティブリストの公開が必要になると思うが、そのような目的に医療機能評価機構がなじむだろうか。
もっと別の組織が独特な評価をするほうが効果的であると思う。例えば患者さんが組織したNPO・学会基準による認定などはどうだろう。
・患者さんの視点から知りたいのは、自分の病気をちゃんと治してくれる病院であるか、ということだ。病院機能評価はこのような要望を満たさないもの、最低限の安全性を確保していることを認定する、という目的で充分だろう。
・自動車やおもちゃでも○○基準認定済み、という表示があります。それを見ただけでその商品を購入する人はいないでしょう。気に入った商品にその認定があるか確認する、あるいは認定された商品の中から気に入った商品を選択する。そんな使い方がよいのではないか。
2006年12月24日 14時17分

電子カルテを中核とする院内の情報システムは徐々に整備されています。厚生労働省の統計では2005年10月1日時点でオーダリングシステムを導入している病院は22%、電子カルテを導入病院は5%になっています。400床以上の病院に限るとオーダリング73% 、電子カルテ18%になっています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/05/kekka1-3.html
電子カルテによって院内で患者(カルテ)情報が共有できると、次に期待されるのはネットワークを利用して患者情報を有効に活用しようという考えです。医療情報システムでネットワークを利用するサービスはいくつかあります。患者情報の利用形態からそれを分類すると以下のようになります。
1.インターネットによる診療予約、病院の検索、ホームページによる病院情報の提供など、患者情報を扱わないサービス
2.グループ内または近隣の複数施設から、中核病院の患者情報を参照するサービス
3.患者さん自身または医療機関が、1つのシステムに患者情報を集約して入力・参照するサービス

1については、既に一般的です。病院や診療所を検索するサイトは沢山あり、随分と便利になりました。患者さんの利便性のために今後もさまざまなサービスが登場することと思います。
病院が治療成績や得意分野の情報を公開することについては、厚生労働省が2002年頃から取り組んでおり、2006年からは「医療情報提供の提供のあり方等に関する検討会」 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/s0922-3.html として検討されています。この根本にあるのは、病院が独自に治療成績などを発表すると、情報の信頼性が確保できないうえに情報が分散するため、国がルールを作り県単位に実施するという、いかにもお役所的な発想です。成功するとは思えません。インターネットという自由なメディアで提供されるサービスとしてNPOや民間企業が実行するほうが有益と思います。

2については、院内で運用している電子カルテとは別に、参照用のシステムを構築して患者情報を参照できるようにしたものです。中核病院で受けた診療内容を近隣の診療所で参照できるので有益だと評価されています。どの患者さんの・どの範囲の情報を・どのユーザに開示してもよいか、という権限管理を行えば比較的簡単に実施できるサービスです。患者情報の参照のみではなく、中核病院の診療予約・検査予約・紹介状のやり取りなどの付帯サービスもあります。以前に国立長崎医療センターを見学したときに松本先生に説明いただいた。あじさいネット http://www.hosp.go.jp/~nagasaki/ajisai/index.htm は印象的でした。

3は、今後必要となる「連携医療」をサポートするサービスです。これまでの日本の医療はフリーアクセスが確保され、患者さんはどんな病気でも大病院で診療を受ける傾向にありました。これからは医療機関の機能分化が進み、患者さんは複数の医療機関で連携した診療を受けることが必要になります。このような形態を連携医療と呼ぶことにします。
いつでも特定の大病院で診療を受けていれば、患者さんの診療記録は電子カルテに保管されているのでスムースに無駄のない診療が行えます。しかし、初診の場合は院内の電子カルテに情報が無い状態で診療をしなくてはなりませんのでそれまでの診療経過がわからず、診療時間が長くなり、検査などの費用負担も増えます。連携医療では患者さんは必要な医療資源がある病院に行くことになりますので、病院では初診が多くなり、検査が重複して行われたり、治療の方針が変わってしまったり、と非効率になる可能性があります。
現在では、患者さんがこれまでにどのような診療を受けてきたのかを紹介状(診療情報提供書)という形で提供する仕組みがありますが、書面を基本としているために検査結果など詳細情報を全部は記載できていない、診療所から病院・病院から回復期施設といった1対1の関係になり全体の情報を得られにくい、といった課題があります。
そこで電子カルテに入力された診療情報を1つのシステムに集積し、詳細な診療情報を関連する医療機関で共有することが要望されます。必要な情報として患者さんのアレルギー・既往歴・現病歴・検査結果・使用した薬品・治療の経過・治療の方針(連携パス)などがあげられます。
このシステムに患者さん自身も参加しカルテを参照することで自分が受けてきた診療を確認することができ、自身が日常の生活状態・バイタルサインを入力することで慢性疾患の患者さんの状態管理を行うこともできます。
医療に限らず健診・介護なども考慮して、地域にある医療(介護)資源の紹介・管理、患者さんが受けるサービスのスケジュールの管理、サービスを提供する担当者同士の連絡、などを合わせて行うことで、効率よく高品質の医療(介護)サービスが提供できるようになります。

連携医療を実現するにあたり決定的に不足しているのが家庭医です。身体に変調があればまず家庭医を訪問して、適切な医療を提供できる施設を紹介してもらうようにならないと、連携医療は入り口の部分で崩壊してしまいます。
診療所の先生方、専門科に特化しないで家庭医になる勉強をしてもらえないでしょうか。そして連携医療をサポートする情報システムを一緒に作りましょう。
2006年11月12日 11時21分

時事ネタばかりではあまりに不定期ですし、ついつい愚痴が多くなりますので、連載のようなことを考えてみました。
お客様での説明に使っている資料の一部ですが、今後の医療情報システムに求められる機能という課題で連載してみたいと思います。今回を含めて5回の予定です。(定期的に書きたいですが果たして実行できるのか。)

他の産業と同じように、医療サービス業界においても情報システムの役割は大きく、病院・診療所といった医療機関では電子カルテを中心とした情報システムを導入する施設が増えています。
医療機関における情報システム導入の目的は、診療の質の向上、診療の効率の向上などによって、患者さまに対するサービスを向上させることにあります。しかし現状の医療情報システムがこれらの要求に応じられるものになっているかというと決してそうではありません。

医療情報システムは他の産業の情報システムに比べてまだまだ未熟で改善するべき点が沢山あります。現状の医療情報システムが、すぐにでも対応しなければならないテーマとして以下の4点をあげました。
1.地域連携(EHR)への対応
2.標準化への対応
3.制度改革への対応
4.診療支援機能の実現
次回からはこれらのテーマを1つずつ詳しくみていきます。

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